昨夏の全国高校野球選手権新潟大会準優勝校・帝京長岡の幌村黛汰外野手(3年)が今春、社会人野球企業チームのIMFバンディッツ富山に進む。県屈指の好打者として、帝京長岡初の夏決勝進出の原動力になった。抜群の野球センスに磨きをかけ、社会人チームからのプロ入りを目指す。

幌村の意識は高い。2月の合流に備えて「体を大きくしないと」と体重を増やした。冬休みの間は意識して間食を取り、そこに週3、4回の筋トレを加えて今の体重は73キロ。昨夏から7キロアップした。

IMFバンディッツ富山は創部6年目で富山で働く社会人で構成する。幌村はIMF社に入社し、介護の仕事に就く予定。チームは都市対抗、日本選手権初出場1勝を目標に掲げている。「練習を見て、若くて勢いがあるチームだと思った」。その一員になり、目指すのはプロ入り。「大学より社会人の方がプロに近い環境」と高校入学時から思い描いていた道を進む。

日本ハムなどで投手として活躍し、スカウト経験もある芝草宇宙監督(53)は「投手からすると、あれほど厄介な打者はいない」と絶賛する。昨夏の新潟大会は3番中堅手で6試合23打数10安打で10打点。甲子園出場は逃したが、帝京長岡初の決勝進出に貢献。阪神ドラフト4位の茨木秀俊投手(18)と投打の両輪としてチームをけん引した。一昨年の秋季県大会から昨春県大会3回戦まで公式戦9試合連続安打もマークした。

社会人では内野を中心に取り組む予定だが「どこでもやる」と言う。高校では内外野のほか、マウンドにも上がった。芝草監督は「場面、場面で何が必要かを考えられるし、気付ける選手」と実戦向きの適応力を買っている。

茨木からは「頑張れよ」と励まされた。将来、同じ舞台で競う夢がある。そこにつなげるための社会人1年目。「高い打率を継続して残す選手になって、都市対抗や日本選手権に出る」とハードルを設定した。【斎藤慎一郎】

◆幌村黛汰(ほろむら・だいた)2004年(平16)8月8日生まれ、北海道出身。高静小1年の時に野球を始める、静内三中では日高リトルシニアに所属。帝京長岡進学で北海道を離れる。帝京長岡では1年夏の県独自大会からベンチ入りする。178センチ、73キロ。右投げ左打ち。