昨夏甲子園優勝の仙台育英が東北に5-0で競り勝ち、2年連続4強入りを決めた。斎藤敏哉(はるや)内野手(3年)が1点リードの8回2死満塁、値千金の右越え満塁本塁打をマーク。湯田統真投手(3年)は5安打12奪三振完封し、昨秋から1勝1敗で迎えた「黄金カード」ファイナルラウンドで勝利の原動力となった。

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豪快なフルスイングが、今春センバツ出場校対決の勝利を引き寄せた。1回に斎藤陽(ひなた)外野手(3年)の適時打で先制後は投手戦となり、1点リードの8回2死満塁。ここまで3打数無安打2三振の斎藤敏が左打席に入った。

「湯田が1-0で投げていて、点を取って軽く投げさせてあげたいと思った。絶対に点を取ろうという気持ちで打席に立った」

カウント1-1。相手エース右腕の内角高め直球を捉え、弾丸ライナーが右翼芝生席に着弾。「一塁を回って(右翼手)オーバーだと思ったが、審判が(手を)回していたので入ったと思った」。本塁打を確信した二塁付近では、右腕を突き上げてホームイン。2試合ぶり1発でチームを救った。須江航監督(40)は「(斎藤敏は)夏の大会にかけて成長が見られるので、彼に懸けようというところで一振りしてくれた。あんな打球はなかなか高校野球じゃ見られない。素晴らしかった」と賛辞を贈った。

東京都出身の斎藤敏。この日は父敏文さんが応援に駆けつけ、家族も映像を観ながら自宅で応援していたという。ダイヤモンドを1周した時は「親の笑顔が浮かんだ。絶対に喜んでいるなという気持ちだった」。記念のホームランボールは「『ありがとう』と言って渡したい」と照れくさそうに笑った。あと2勝で2年連続の甲子園。かっこいいところをたくさん見せる、恩返しの夏にする。【相沢孔志】

 

東北 東北のエース右腕・ハッブス大起(3年)の夏が終わった。4回から継投したハッブスは7回まで1安打無失点と好投。しかし8回、2死満塁としてから、仙台育英の斎藤敏に甘く入った内角直球を打たれ、満塁弾を許した。ハッブスは「日隈(翔弥、3年)は自分の真っすぐを信じて、要求してくれた。しっかり投げきれなかった自分が悪い。悔やんでも悔やんでも悔やみきれない1球になった」と涙ながらに振り返った。今後に向けて、「『あの失投があったから今がある』と言えるように、時間をかけて成長したい」と力強く、前を向いた。

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