仙台城南が第5シード利府に2-1で競り勝ち、創部初の決勝進出を果たした。エース右腕・安住馨祐(きょうすけ、3年)が143球を投げ、5安打1失点で3試合連続完投。主将の岡村太貴捕手(3年)は勝ち越しの左犠飛を放ち、バッテリーの躍動で春夏通じて初の甲子園出場に「王手」をかけた。
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安住の雄たけびとともに、三塁側応援席が沸いた。1点リードの9回2死一塁、伝令が送られて一呼吸を置き、相手9番と向き合った。初球を力のない遊ゴロに抑え、二塁封殺。グラブをたたき、1961年(昭36)の創部以来初の決勝進出に歓喜した。1点差で敗れた利府・間橋康生監督(52)は安住の投球を「塁には出るけど、点数に結びつけるのが難しい、うまい投手という印象を持っていた。その通りのピッチングをされた」と評価した。
安住は20日の準々決勝で第5シード古川学園に115球を投げ1失点完投。中1日で5試合連続の先発登板に臨んだ。「相手も同じ条件なら、あとは気持ちだけ」。疲れが見えた6回から4イニングは走者を背負ったものの、「同点はOK」と気負わず、丁寧に打たせて取る粘りの投球。8回2死満塁の場面では二塁手の好守備にも助けられ、何とかピンチを脱した。
安住の思いをミットで感じていた岡村は「気持ちが入った真っすぐや変化球。『今日の安住なら大丈夫だな』と思って受けていた」。だからこそ、チャンスで燃えた。1-1の6回1死三塁。「絶対に1点を取ろうと思って思い切り振った」と勝ち越しの左犠飛。この1点をバッテリー中心に守り抜き「全員で勝ち取った勝利」と言い切った。
シード校の仙台商、古川学園、利府を破り、決勝までやってきた。第1シードの王者との一戦を迎えるが、勝利を譲る気はない。角晃司監督(63)は「ここまで来て準優勝で満足するつもりはない。初の甲子園を目指して、死にもの狂いで生徒たちと一緒に頑張りたい」。シード校キラーとして旋風を巻き起こした同校の歴史に“甲子園出場”の5文字を新たに刻む。【相沢孔志】
○…仙台育英は東陵とのシード校対決に臨み、8-1の8回コールド勝ちで2年連続決勝進出を決めた。湯浅桜翼(おうすけ)内野手(2年)は1回の先制適時打を含む3安打1盗塁と躍動。「序盤に先制点を取るというテーマでやっていた。初回でできたことがすごく良かった」と笑顔だった。今大会4試合は「3番三塁」で先発出場し、ここまで11打数6安打6打点。決勝に向けては「自分のプレーができれば勝てる試合になると思うので、自分の役割を果たしながら試合をしたい」と闘志を燃やした。

