2季連続の甲子園を狙う浜松開誠館が日大三島を8-0の7回コールドで下し、秋は初の東海大会出場を決めた。1番大迫翔輔捕手と2番長部玲史内野手(いずれも2年)が、2人で5打点を稼いだ。藤枝明誠は、聖隷クリストファーに6-3で勝利。3番一瀬友希主将(2年)が決勝打を含む3安打2打点の活躍で、3年ぶりの東海切符に貢献した。決勝、最後の東海1枠を懸けた3位決定戦は、24日に草薙球場で行われる。

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勝てば東海進出の重要な一戦で、藤枝明誠・一瀬主将がよみがえった。1-1の3回2死二塁。内角直球を捉えた。本人の「少し詰まった」感触に反して、打球はぐんぐん伸びて右翼手の頭上を越えた。決勝打となる勝ち越しの適時三塁打。盛り上がるベンチに向かって、思い切りほえた。

「ここまで全然打てなくて、ずっと助けられてきた。今日は『みんなのために』と打席に入った。越えてくれて良かった」

準々決勝までの3試合で13打数1安打と不振に苦しんだ。準決勝に向け、今週は光岡孝監督(45)からマンツーマン指導を受けて打撃フォームを改善。トップの位置を固めていた構えを、胸の前でバットを小刻みに揺らす形に変えた。

試合前には、指揮官から「打てなくて勝ってきたから、今日も打たなくていいぞ」と声を掛けられた。冗談交じりの“激励”も奏功し、この日は5回にも右前適時打を放つなど3安打2打点。一瀬は「無駄な力みが抜けた」と、復活の快音でチームをけん引した。

優勝した20年以来となる決勝では、今夏準決勝で6-7と惜敗した浜松開誠館と対戦する。「先輩たちの思いもある。次も勝負どころで1本打って、絶対に勝ちたい」と結んだ一瀬。次は頂点への道を切り開く。【前田和哉】