聖和学園が古川学園との延長11回タイブレークを7-5で制し、春、夏、秋通じて初優勝。7回から登板の千葉桜太投手(2年)が5回無失点の好投で優勝に貢献した。
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延長11回裏2死満塁。中堅へと高く上がった白球が中堅手のグラブに収まるより先に、千葉は思い切り跳び上がった。「センターの中善寺(健斗、2年)はチームで一番信頼している。『取ってくれるだろうな』と思った」。アウトを見届けて着地。マウンドに駆け寄るチームメートを受け止めながら「めちゃめちゃうれしかった」と初優勝をかみしめた。
今大会は4試合に登板し、24回を投げ14安打1失点。防御率は0・38をマーク。準々決勝からは3連投と「本当は今日、疲れマックスだった」。肩の位置も回を追うごとにどんどん下がっていったが「命を削ってでも抑えてやるという気持ちで投げてました」と気合で乗り切った。執念でつかんだ初優勝だった。
今大会は夏の甲子園準Vの仙台育英が東陵に準々決勝で敗れ、その東陵も東北大会出場を逃す大混戦。聖和学園はその混戦を制し、2年ぶりの東北大会出場を果たしたが、千葉は「入学した頃からセンバツを目標にしていた。東北大会出場はマスト」と冷静だった。初優勝には思わず感情を爆発させたが、東北大会では「一喜一憂せず、センバツが決まってからうれしがりたい」とクレバーに腕を振るつもりだ。初優勝の勢いに乗る聖和学園が、第1代表として宮城のかじを取る。【濱本神威】
○…仙台一は東陵を5-3で下し、17年ぶりの東北大会出場を決めた。準決勝では5安打1得点だった一高打線が打ちまくった。千葉厚監督は「『ファーストコンタクトでアプローチしよう』という話をした。積極性があり、スイングがフルスイングになっていました」と称賛。13安打のうち7安打が3球以内に仕留めた当たりだった。この日、3安打3打点と躍動した藤原啓内野手(2年)は「自分たちのやるべきことをしっかりやって、センバツに行きます」と意気込んだ。