大阪桐蔭の西谷浩一監督(54)が、智弁和歌山・高嶋仁前監督(77)が持つ甲子園の監督歴代最多勝となる68勝に並んだ。

初対戦の北海を相手に7-1と快勝し、節目の記念星を手にした。センバツ通算32勝もPL学園・中村順司元監督を超えて単独トップに躍り出た。これで今大会近畿勢の連敗を5でストップ。報徳学園(兵庫)も延長タイブレークの末にサヨナラで愛工大名電に勝利し、2回戦に進出した。

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西谷監督は甲子園一塁側のベンチ前で堂々と胸を張り、自身68度目となる校歌を口ずさんだ。アルプス席へあいさつに向かった際、「珍しく持ってきてくれた」と捕手杉本からウイニングボールを渡され、記録を実感した。初対戦の北海にそつなく快勝し、3大会連続の白星発進。05年夏から20年で積み重ねた甲子園での勝利数が、監督歴代最多タイの「68」に到達した。

「私の記録というよりも、大阪桐蔭の歴代のOBたちが頑張ってくれたものに、今の子どもたちが積み重ねた勝利だと思いますので、うれしく思います」

尊敬してやまない大先輩に、数字上では肩を並べた。智弁和歌山を長年率いた高嶋氏とは「若い時から公私に渡って本当にお世話になっている」。今でも食事を共にするなど親交がある。背中を追い、同じ68勝を挙げたが「監督として高嶋先生に並んだという気持ちは全くない」ときっぱり。「いつか高嶋先生に並ぶ、また超えるような指導者になりたいという気持ちはありますが、今の時点ではまだまだです」と謙遜した。

「やれるまでやる」。指導者になりたての頃、高嶋氏の指導方針にインスピレーションを受けた。智弁和歌山では当時、入学直後の部員にいきなり球速150キロ近くの打撃マシンを打たせていた。「そんなん打てるんですか?」と尋ねると、「空振り100回したとしても、打てるまでやるんよ」と返ってきた。名将の熱量、考え方を肌で感じ、今も教え子に「やれるまでやるんだ」と伝え続ける。「勝負に対する執念はいくつになられてもすごい。受け継いでいかないといけない」と心に留めている。

次戦は25日、中2日で神村学園(鹿児島)との2回戦に臨む。記録更新がかかるが、「更新じゃなく、とにかく次の神村学園に勝ちたい。それだけです」。2年ぶり5度目の春の王座奪還へ。1戦1勝で、前人未到の領域へ進み続ける。【古財稜明】

◆監督の春最多勝 大阪桐蔭・西谷監督はセンバツだけで通算32勝目。31勝の中村順司監督(PL学園)を抜き、春の監督勝利で単独最多になった。

▽大阪桐蔭・岡江(3回2死満塁から先制打となる左前への決勝2点適時打)「とにかくチームのために後ろにつなげようという意識で、何でも食らいつこうと思ってました」

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