能登半島地震で被災した日本航空石川が初戦で敗れた。中村隆監督(39)は涙を流しながら「勝って1試合でも多く戦う姿を能登の方にお見せしたかった。勝たせてやれなくて申し訳ない」と振り返った。

1点ビハインドで終盤を迎えた。9回は遊撃の北岡颯之介内野手(3年)が好守で失点の危機を乗り越え、その裏には1死一、三塁と同点機をつくる粘り強さを見せた。中村監督は「8回9回、終盤がこのチームの課題だとずっと言ってきた。見えない人、見えない力が必ずお前たちを支えていると言ってきた。ここが頑張り時だと最後のミーティングでしました」と必死に戦うナインを涙ながらにねぎらった。

敗れはしたが、1つになって戦い抜いた。「いろんな人のために頑張るというところが彼らの気持ちを1つにして頑張ってきてました。なので勝って1試合でも多く戦う姿を能登の方にお見せしたかったのが本当のところ。それが自分の力で勝たせてやれなくて、負けさせてしまって申し訳ないという気持ちです」と責任を背負った。

◆神宮枠最少失点 神宮大会枠により選出された日本航空石川が1失点で惜敗。同枠の出場校は通算27試合目(6勝21敗)だが、1失点は07年室戸(高知)の○2-1報徳学園(兵庫)、○4-1宇部商(山口)、08年宇都宮南(栃木)の●0-1八頭(鳥取)に並ぶ最少だった。

◆無失策試合 常総学院-日本航空石川戦で記録。今大会2度目。

【スコア詳細】全試合で一球速報中! 選抜高校野球の最新情報はこちら>>