ノーシードの石巻が第2シード仙台城南から1-0で大金星を挙げた。昨夏準Vの強豪から、今野寛弥投手(2年)が公式戦初完投初完封勝利を挙げた。

大金星を予感させる三ゴロに、球場が沸いた。だが、石巻の今野だけは冷静だった。マウンドから一塁ファウルグラウンドへ、バックアップに走った。27個目のアウトを確認してから、一塁側ベンチを飛び出した仲間と抱き合った。6安打2四球1奪三振で公式戦初完投初完封。「たぶん三振を1個もとってないので。守備に助けられたと思います」。先制した直後の2回に相手エースから奪った三振を忘れるほど、目の前の打者に集中していた。

“スミ1”に打ち急ぐ第2シードの打者陣を観察した。「ゴロアウトを狙っているけど、ボールに潜ってポップフライが増えていた」。120キロ台中盤の直球を見せ球に、スライダーやカーブで泳がせた。4回までのアウト12個のうち、フライアウトが8個。序盤で完全にペースをつかんだ。

試合前の予想は「先制点を取られて、そこから逆転勝ち」。先発した春季県大会1回戦の利府戦では先制を許した後、6回1失点と粘投。チームは終盤に追いつき、サヨナラ勝ちした。早坂憲人監督(41)も「必ず1点(先に)取られるチームなので。早く1点取られろという感じで。早く1点取られないと不安でしょうがない」と話すほど。この日は思わぬ展開にも、今野は「1点取られてもいいかな」と動じなかった。

2年生で、背番号は「10」。エース級の働きにも、指揮官は「今野より良いピッチャーがいるからではないです。3年生で頑張ってきたピッチャーもいるから」と明かした。おっとりした好青年も、ほおを赤らめながら「自分のやることをやって。みんなで、全員で戦う」と笑った。8強入りをかけた3回戦も、部員33人で一丸となる。【黒須亮】

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