“倍返し”でV候補にジャイキリ-。夏の甲子園初出場を目指す公立の伊万里が第1シード佐賀北を6-3で下す金星を奪い、3年ぶりの8強入りを決めた。07年夏の甲子園の佐賀北の全国制覇をマネジャーで支えた真崎貴史監督(35)の下、強みの守備力を鍛え直して、春の県大会2回戦で敗れた相手にリベンジを果たした。19日準々決勝で昨夏代表の鳥栖工と対戦する。
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ドラマ「半沢直樹」ばりの倍返しで死闘を制した。強みの守備力を武器に、左→左→右と必死の継投で逃げ切り。遊撃から3番手で好救援を見せた岩永太郎内野手(2年)が渾身(こんしん)の直球で遊ゴロに打ち取ると、ナインの笑みがはじけた。「佐賀北を倒す目標に向かってきたので、ホッとしています」。執念でV候補を下した。
2点リードされたが、右サイドスローの相手エースを対策通り攻略して、4回2失点で降板させて勢いに乗った。6回2死から運も味方した。相手中堅手の落球から得た満塁機を生かすなどして4点を奪い、一気に突き放した。
07年夏、佐賀北の全国制覇をマネジャーで経験した真崎監督が就任して4年目。夏初めて対戦した春県王者の母校相手に恩返しのリベンジ勝利だ。指導では、甲子園経験を糧に準備の大切さなどを伝えてきたという。守備や精神を鍛え直すため、6月に27連続アウトを取るまで約7時間続けた“地獄のノック”の成果でもあった。
春の県大会2回戦で佐賀北に敗れてから、スローガン「やられたらやり返す 100倍返しの夏」を同校グラウンドのベンチに掲げた。敗戦後の3月の広島遠征では移動バスの中で、監督の意向により「半沢直樹」のドラマを見て奮い立ったという。
この日、新型コロナ感染の影響で主力2人を含む3人が欠場する大ピンチを迎えた。だが“倍返しナイン”は動じない。元々主力だった背番号「20」の福田憂莉外野手(2年)が、けがから復帰先発するなど一丸で乗りきった。
準々決勝は昨夏代表が相手だ。最速145キロエースを擁すが「遠征で速い投手とやって、無理と感じない」と岩永。波に乗り、ノーシードからジャイキリVを目指す。【菊川光一】

