終了時間は午後10時46分。異例ずくめの試合は、春夏通じて初出場の綾羽が制した。タイブレークの10回に決勝打を放った主将の北川陽聖外野手(3年)は、興奮覚めやらなかった。「逆転できる力があると思っていた。最後まで諦めない執念が一番でした」。
1点ビハインドの9回2死から敵失で追いつき、午後10時を回った。北川は継続試合になると思い、守備位置からベンチに戻ったが、仲間からバットを渡された。「びっくりした」というが、すぐ切り替えた。10回無死一、二塁から決勝打。「いける自信があった。迷いなく振れました」と右中間を破り真夜中の大歓声に包まれた。
「原則として」午後10時を過ぎて新しいイニングに入らず継続試合になるルールがあるが、試合前に10回まで行うことが両校の責任教師に伝えられ、了承していた。ただ両校ともに選手には伝えられていなかった。北川は「こんな時間までさせてもらって、できる機会はない。幸せです」と満面の笑みで振り返った。
史上最遅の午後7時49分に始まったゲームは、この日行われたプロ野球のナイターよりも遅く終了。満月の夜空に高校球児の熱気がこだました。【林亮佑】
◆開始と終了の遅い試合 綾羽-高知中央戦は午後7時49分開始。試合開始時間が確認できる53年以降、夏の大会では前日7日の旭川志峯-広陵戦(同7時29分)を20分更新し、最も遅い開始となった。過去最も終了が遅かったのは21年小松大谷-高川学園戦の午後9時40分。
◆プロ野球では 開始と終了が遅かった主な例では53年8月9日の東急-近鉄戦(後楽園)が午後10時11分開始、同11時49分終了だった。この試合はダブルヘッダー第2試合。同5時2分開始の第1試合が延長20回(4時間46分)の長丁場となり、9時48分終了だった。

