秋季高校野球青森大会が5日に開幕した。三沢は6-3で上北連合に逆転勝ちし、初戦突破した。本職は外野手の根本隆立(たかはる)投手(2年)が先発し、公式戦初登板ながら4失点完投で勝利に導いた。

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鮮やかな投手デビューを飾った。公式戦初登板の根本は、当初は5回までの予定だった。「投げていくうちにどんどん肩が温まって『まだいけるな』と」。6回以降も投げ続け、気づけば最終回。すでに投球数は110球を超えていたが、マウンドへと向かった。最後は空振り三振で締めくくった。「まさか最後まで投げきれるとは思っていませんでした」と笑顔で振り返った。

投手は1週間前に始めたばかり。「ほぼ、ぶっつけ本番」と話すほど、投手として準備する時間はなかった。だが、これまでの練習終わり、気晴らし程度で行っていたキャッチボールが功を奏した。「見よう見まねで投げていたスライダーを、今日はそのまま投げました」。思わぬところで習得していた変化球も使い、5奪三振。粘り強く投げきった。

かつての強さを-。同校は春夏通算3度の甲子園出場経験を誇る。69年夏の甲子園では松山商(愛媛)に敗れ、惜しくも準優勝。延長18回の激闘の末に決勝初の再試合になるなど、今でも語り継がれる名勝負を繰り広げた。あれから56年。「部員の中でも話になります」と、現役選手たちの中でも話題に挙がるという。69年以来、甲子園出場が遠ざかっている同校。根本は「目標は甲子園です」と言い切った。強い三沢を取り戻す第1歩を踏み出した。【木村有優】