阿南光(徳島)は8強入りした24年以来2年ぶりの白星をつかめなかった。今大会から初めて導入されDH制。高橋徳監督(43)は投手に専念させるメリットと打線の活性化をてんびんにかけながら、坂本翔太(2年)をDHとしてスタメンに送り出した。中京大中京の継投の前に2つの四球で出塁したものの、期待された快音は響かなかった。
坂本は「バッティングがアカンかったら守備で取り返そうと思うんですけど、今回バッティングでしか結果が出せない。チームに貢献できないんで」と複雑な心境を明かした。守備に就かないことで、かえって1打席の重みが増すのがDH特有の難しさ。監督からは「初球から結果を気にせず強く振れ」と背中を押されていたが、勝負どころの8回も好機を生かせなかった。
「この学年ではDHでもう1回夏も狙って、新チームになったら自分も内野手で守れるようにしたいです。バッティング面を見つめ直して、夏もここに戻ってこれるように努力したいです」と話した。
高橋監督もまた、この新制度の運用に知恵を絞っている。DH制の導入により、投手陣は限られた時間の中で投球練習に専念でき、死球などの負傷リスクを減らせるメリットを享受した。高橋監督は「DH導入はメリットの方が大きいんじゃないですか。ただ、あり方を夏までに模索していきたい。投手は専念できるが、打者は守備からのリズムが作れない難しさがある。足のある選手や守備型の選手など、どのように起用していくかですね。他校の監督さんたちとも話し合いながら、夏へ向けて考えていきたい」と話した。この敗戦が「DH制」という新たな武器を使いこなすための第1歩となった。

