＜高校野球兵庫大会：社６－５報徳学園＞◇２３日◇５回戦◇明石トーカロ

　昨秋から県内公式戦無敗の報徳学園が、最後の夏でサヨナラ負けした。

　１回裏、先発の中村誠投手（３年）がいきなり３点を失った。３回裏には追加点を許し、ビハインドは４点と広がった。

　しかし、ここからが王者報徳学園だった。７回表、２死走者なしから９番田中和馬投手（３年）が投手強襲打で出塁。ここまで好投を続けていた社の長尾勇弥投手（３年）を攻めたて、マウンドから引きずり下ろした。２死満塁で代わった平井亮丞投手（２年）から、３番石垣昭二内野手（３年）が左越え二点適時打を放つと、４番岸田行倫捕手（３年）も続き、ついに同点に追いついた。

　その後、社に勝ち越されたが、９回表しぶとく報徳学園が追いつき延長戦へ。８回途中からマウンドに立った捕手の岸田は、１１回裏先頭の坂本雄祐外野手（３年）に左中間を破る二塁打を許し、最後は力負け。７番山本卓捕手（３年）にサヨナラ内野安打を放たれてしまった。

　永田裕治監督（５０）は「良いチームでした。センバツで負けて以降、本当にまとまりがよくなった。まとまりは日本一だと言えるチームになった」と褒めたたえた。岸田も「マウンドに立って、スタンドにみんながいると思ったら１００パーセント以上の力が出た。感謝の気持ちでいっぱい」と涙を流した。最後は３年生全員で永田監督を胴上げし、後輩にバトンを渡した。