<高校野球千葉大会:東海大望洋7-0東邦大東邦>◇9日◇1回戦

 昨夏の千葉大会準優勝の東海大望洋が、公式戦初登板初先発のエースの力投で、開幕戦を制した。黒崎諒投手(3年)は、東邦大東邦打線を6回1安打無失点。直球は自己最速を6キロ更新する143キロを計測し、9奪三振。三塁を踏ませず、7回コールド勝ちに導いた。

 10年にセンバツに出場した強豪校で、公式戦未登板のまま最後の夏に背番号1を背負うのは珍しい。黒崎は1年時から打撃投手を務め、昨秋はベンチ入りしたが、肘痛で登板機会はなかった。1回戦で敗退した春の県大会ではボールボーイ。「あの悔しさは忘れない」。肘痛が癒えると、昨夏の甲子園4強の成田の中川諒投手(JX-ENEOS)のDVDを繰り返し見た。腕振りをまねると急に制球力が増した。

 OBの横浜真下らを育てた相川敦志監督(50)は見ていた。都内から往復4時間かけて通学する努力家は腐らずやっていた。「最後にもう1度だけチャンスをやる」。4月中旬の練習試合から登板機会を与えると、どんどん伸びた。「殻を破ってくれた。今日投げたことがさらに自信につながる」と、緊張するはずの開幕戦の快投をほめた。

 12日次戦は強力打線のAシード流通経大柏との対戦。頼もしいノーシード校のエースは「絶対勝ちます」と、力強く言い切った。