<高校野球大分大会:明豊6-0日本文理大付>◇27日◇決勝

 明豊エースが大一番で本領を発揮した。左腕の高尾勇次(3年)は会心の今夏初完封。マウンドに駆け寄った仲間に思い切り抱きつかれ、笑みがはじけた。1安打で2年ぶりの優勝に貢献し「出来すぎ。100点満点です」と声を弾ませた。

 真価が問われるマウンドだった。準々決勝前に38度6分の発熱で体調を崩し、登板を回避。雪辱を期して臨んだ準決勝では、緊張から2回4失点KOされただけに、決勝開始前に先発を言い渡され、奮い立った。直球こそ130キロ台前半も、6月に習得したチェンジアップや、スライダー、カーブを織り交ぜ凡打の山を築く。8回2死一塁で内角直球を初安打されるまで、日本文理大付打線を無安打に抑えた。ノーヒットノーランの快記録はあと4人で逃したが、まったく危なげない投球だった。

 新チーム始動からエースだったが、春先に岡本健一郎(3年)にその座を奪われた。「悔しくてしかたがなかった」。全体練習後も寮でフォームづくりに励むなど、努力を続け返り咲いた。昨年12月、前監督の退任に伴い、チーム再建を託された元別府大監督の和田正氏(61)が就任。信頼して起用してくれる指揮官の期待に応えたかった。甲子園について「小さいころからの夢だった。楽しんで投げたい。目標はベスト8」と意気込んだ。【菊川光一】

 ◆明豊

 1999年(平11)に別府大付と明星の学校法人合併で発足した男女共学の私立校。普通科、看護科で生徒数426人(うち女子218人)。創部は別府大付時の52年。部員は67人。甲子園は春2度、夏は4度目出場。主なOBは阪神城島健司、ソフトバンク今宮健太ら。所在地は別府市野口原3088。原尻正信校長。

 ◆Vへの足跡◆2回戦10-0竹田3回戦7-0佐伯鶴城準々決勝1-0大分豊府準決勝10-5大分商決勝6-0日本文理大付