初陣は札幌勢対決だ。第94回全国高校野球選手権(8月8日開幕、甲子園)の南・北北海道大会の組み合わせが5日、決まった。南北海道(16日から、札幌円山)では創部4年目で初出場の札幌大谷が、1回戦で昨秋、今春の全道準優勝校・札幌一と激突。全国高校総体初出場を決めた男子サッカー部に続けとばかりに夏の聖地を目指す。

 初めて参加した南大会の組み合わせ抽選会。札幌大谷の主将、前田庸佑二塁手(3年)は対戦相手が決まったボードを背に胸を張った。「札幌一はよく打つというイメージがあります。でも、いつも通りにやっていきたい」。出場15校で唯一、3季通じて初の道大会を決めただけに、報道陣の注目を浴びた。「こういうのはあまり得意ではありません」と照れながらも、闘志を胸に秘めた。

 全校応援を受けた地区代表決定戦の翌4日、学校ではクラスメートから「おめでとう」と祝福の嵐だった。既に全国初出場を決めている男子サッカー部の生徒から「やったね」と言われ、喜びを分かち合った。野球部は3季合わせてこれまで4度、代表決定戦で敗退。ほかの運動部が活躍する中、悔しさを感じてきた。「全国出場のサッカー部には負けるけど、少し胸を張れます」。前田主将は語気を強めた。

 今年の全国高校総体には女子バレーボール部、同フェンシング部、同卓球部、同陸上部などが出場する。しかし、野球部の活躍は他部に負けないくらいのインパクトがあった。平(たいら)和千代副校長(62)は初戦の応援態勢について「3年生は3者面談も予定されていますが、これから話し合いを行う予定」と全校応援の検討に入った。

 五十嵐友次郎監督(40)は抽選会場で高校時代の恩師、北照・河上敬也監督(53)とうれしそうに話し込んだ。今地区予選前、金足農(秋田)などとの練習試合をセッティングしてもらった。社会人の大昭和製紙北海道時代の人脈を生かし、春休みに敢行した広島遠征での練習試合で広島商を破るなど、ナインは少しずつ自信を付けてきた。「どこと当たっても強い。選手も僕も思い切りいきます」。南大会初陣監督の口調にも熱がこもった。【中尾猛】