<高校野球大阪大会:近大付9-4信太>◇16日◇2回戦◇舞洲

 ロンドン五輪代表の母校が初戦を突破した。男子背泳ぎの入江陵介(22=イトマン東進)の母校・近大付が、恩師の藤本博国監督(42)に率いられ、快勝発進した。

 後半開始とともに、猛攻を見せた。6回、北村雄太外野手(3年)と代打・赤間亮介外野手(2年)の安打で好機を広げ、一気に5点を勝ち越した。今夏から採用した近大と同じブルーの新ユニホームでの初勝利。「付属校5校のユニホームを統一しました。このユニホームで新たな歴史をつくっていきたい」と藤本監督は語った。

 近大グループの結束を図る今夏のイベントがもう1つ。近大付-近大OBの競泳ロンドン五輪代表・入江陵介の五輪出場だ。藤本監督は入江を3年間、担任として受け持った。3年間で叱ったのは1度。高校1年時、海外遠征から戻った直後、少し長めの髪形で登校してきたとき。私的な時間がないことはわかっていたが「校則は校則。髪を切る時間がないなら学校に来る前に連絡しなさい」と叱った。入江は2度と同じ失敗はしなかった。学業も水泳も両立させ、学生、アスリート両面で一流だった。

 「文武両道の学生だった入江さんのことを監督から教えられました。ぼくらにとって身近なお手本です」と柳原勇貴主将(3年)。ロンドンで表彰台の真ん中を目指す先輩同様、野球部は4年ぶりの夏甲子園を目指す。熱い夏が始まった。【堀まどか】