所沢商(埼玉)に現れた「二投流エース」増田一樹投手(3年)が6日、大会前最後の練習試合を行い、自慢の両投げを披露した。同校グラウンドで入間向陽と対戦。まずは左腕投手として先発すると、5回を5安打無失点に抑えた。

 増田は「5回は予定通りだったんですが、ストライクが入らなかった」と話し納得していなかった。3四球に2死球。毎回走者を出し、2併殺でピンチを切り抜ける内容だった。雨天練習となった5日の室内では絶好調だったという。「試合前のアップで、走りすぎたのかも。足が重かったです」と原因を探った。

 6回に右投げ用グラブを持ち出したが、マウンドではなく左翼に走った。福地利彦監督(54)は「出来が悪いので外野に回します」と冗談めかして話した。直後に、先頭打者がいきなり左翼線に打球を放つと、増田が体勢を崩しながら好捕して、集まった所商ファンを喜ばせた。

 この日、特注でつくった「二投流グラブ」を披露することはなかった。「あれは右で投手をやる時に使います」と増田。埼玉大会は9日開幕、所沢商の初戦は11日の児玉戦だ。「軸足に体重をしっかりと乗せ、いつも通りに投げることです」。注目の両投げ投手が残り期間の調整課題を挙げて、いよいよ本番に臨む。【米谷輝昭】