<高校野球千葉大会:専大松戸10-3木更津総合>◇23日◇準々決勝◇QVCマリンフィールド

 専大松戸の「上沢2世」が木更津総合の3連覇を阻んだ。先発金子直登投手(3年)が、8回を3失点。12安打を浴びながら1四球に抑え要所を締めた。打線も連投となった金子を援護しようと2回までに大量7得点。夏王者を8回コールドで沈めた。

 上から投げ下ろすOB上沢直之投手(20=日本ハム)そっくりのフォームで、粘り抜いた。「負けそうなときこそ笑え」。帽子に書いた言葉どおり、気持ちを切らさなかった。7回2死満塁のピンチも三振で乗り切った。「球宴休み中の上沢さんがグラウンドに来て激励されたんです。これでいい報告ができますね」と笑顔を爆発させた。

 中3の時、当時高3だった上沢に憧れ、そっくりフォームを手に入れようと動画を繰り返し見た。今冬には上沢が走り込んだというグラウンド奥にある長さ50メートル、高低差6メートルの坂路走に取り組み下半身をいじめた。憧れの存在に近づこうと努力を重ねた。

 木更津総合にリベンジするための夏でもあった。昨年準決勝、延長13回押し出し四球によるサヨナラ負けを喫した。先輩たちが膝をつくシーンが脳裏から離れなかった。「見ているだけで苦しかった。絶対リベンジしてやろうと思っていた」と待ち望んだ一戦。「先輩たちに顔向けができますね」と力を込めた。

 3年連続4強進出。上沢が3年だったときの11年の4回戦は超えた。この日のオリックス戦で上沢が先発。「自分たちは勝ちました」と、約束の勝利に胸を張った。【加藤雅敏】