<高校野球大阪大会>◇1日◇決勝

 履正社が3-0で大体大浪商を破り、13年ぶり2度目の出場を決めた。飯塚孝史投手(2年)が公式戦初完封。味方も美技で2年生右腕をもり立てた。高校通算30本塁打のドラフト候補、山田哲人遊撃手(3年)がいよいよ甲子園デビューする。これで49代表校が出そろい、4日に組み合わせ抽選、7日に開幕を迎える。

 最後に笑ったのはT-山田だった。夏空に人さし指を突き上げ、49番目の代表をつかんだ履正社ナインが1つになる。「うれしい。本当にうれしい。優勝は、イメージしていた通りでした」。戦国・大阪の頂点に山田が立った。

 決勝の大一番。1回戦から続けてきた連続打点は7試合で途切れた。それでも大会通算8試合で1本塁打、13打点、打率4割1分4厘。大阪を代表するドラフト候補として、胸を張って甲子園にデビューする。

 春までは進学に備え「勉強、頑張らな」と受験の準備に励んでいた。それが5月になるころ、両親に「プロに行きたい」と進路変更をきっぱり伝えた。夢を追う決意を岡田龍生監督(49)にも打ち明けた。「お前が頑張れば甲子園に行ける。お前自身のためにも、頑張れ」と言われた。今をときめく先輩のT-岡田(オリックス)も甲子園には届かなかった。全国の舞台に立てなかった教え子の無念を知るからこそ、岡田監督は山田を叱咤(しった)。3回戦で熱中症にかかり、体重が6キロも減る体調不良にも耐え、期待に応えた。

 「甲子園で対戦したい相手は島袋投手。興南に打ち勝てたら」と春夏連覇を目指す強力打線、島袋と競う夏。甲子園で、また山田は大きくなる。【堀まどか】