「豚まんパワー」でスタミナアップだ。夏の甲子園に出場する八戸工大一(青森)が3日、大阪・枚方市内で2時間半の練習を行った。気温35度と炎天下の中、守備やシート打撃など、基本の動きを再確認した。

 練習中、ベンチ裏にはおいしい香りが漂い始めた。正体は約100個の豚まん。兵庫・尼崎市出身の長谷川菊雄監督(33)の知人からの差し入れだった。長谷川監督は「ありがたいことです。でもあいつら(選手)、こんなに食べられるんかな」。

 長谷川監督にとって、甲子園出場は「里帰り」でもある。7月31日の大阪入り後、宿舎での激励会では青森県人会からすいか6玉を贈られた。関西圏の友人たちから「観戦に行くから」との連絡も受けている。「ホンマ、うれしいですね。何より力になります」。日焼けした顔は終始にこやかだった。

 対照的に、選手たちは引き締まった表情を浮かべていた。気合には理由がある。自由時間にコンビニへ行くと、店員から「どこの代表?」と尋ねられた。藤田紘史主将(3年)が「青森です」と答えると、「じゃあ(青森)山田か光星(学院)?」と言われ、闘志に火が付いた。「絶対に勝って知名度を上げたい」。初戦の相手は、4日の抽選会で決まる。「八戸工大一」の名をアピールするには、勝ち進むしかない。【湯浅知彦】