<全国高校野球選手権:組み合わせ抽選会>◇4日◇兵庫県立芸術文化センター

 九州のドクターK、大分工・田中太一投手(3年)が、甲子園でも三振量産を誓った。第92回全国高校野球選手権大会(7日開幕、甲子園球場)の組み合わせ抽選会が4日、兵庫・西宮市内で行われ、大分工(大分)は大会5日目第1試合で、延岡学園(宮崎)との九州対決となった。県大会5試合32イニング33Kの右腕は「1試合2ケタが目標。ベスト8を狙いたい」と宣言した。

 田中の目指すところは、相手がどこだろうと、場所がどこだろうと変わらない。「1試合で2ケタは三振を取っていきたい」。あこがれの甲子園の組み合わせ抽選会。初戦の相手が決まったばかりの緊張感漂う会場でも、強気の姿勢は変わらなかった。

 いきなり同じ九州の延岡学園と対戦することが決まった。口蹄(こうてい)疫問題の影響を受けた宮崎県を勝ち抜いたチーム。「初めて対戦するので。どこと対戦しても同じです」。特別意識がないのは自信の裏返しでもある。大分大会では自己最速タイの148キロをマークし、自慢の「太一カーブ」も武器に三振の山を築いた。5試合で32イニングを投げて33奪三振。プロも注目する九州の「ドクターK」は甲子園の大舞台でもその力を十分に発揮するつもりだ。「本音で言えば、関東とか、強豪のチームと対戦したかったという気持ちはありますが、まずは初戦は勝ちにいくことです」と口元を引き締めた。

 緩いカーブを練習している時に「たまたま力んで投げたカーブが監督の目にとまった」という高速スライダーのような「太一カーブ」。田中も「これで三振を取っていきたい。県大会が終わって、少し疲れていたけど、ここにきて徐々に調子は上がってきてますので」と鼻息を荒くした。塔鼻(とうはな)充監督(54)も「うちは田中を中心とした守りのチーム。ロースコアの展開になるでしょう」と勝利のカギは田中が握っていること強調した。

 「まずは初戦ですが、できればベスト8を狙っていきたい」。田中の視線の先には、甲子園のマウンドで三振を重ねる自分の姿があった。【浦田由紀夫】