大会最小兵選手が満願の初舞台へ。第92回全国高校野球選手権(甲子園)に出場する南北海道代表・北照で、石田純平三塁手(2年)が7日の開幕を心待ちにしている。8強入りしたセンバツでは、大会直前の負傷でベンチを外れた。5日、兵庫・伊丹市内での練習を終え「センバツに出られなかったので、その分楽しみだし、緊張でドキドキ」と胸を躍らせた。

 春の悲劇は甲子園練習の前日、練習でのヘッドスライディングで左胸を強打。めまいなどの後遺症が続き、開会式リハーサルの日に選手登録を抹消された。宿舎でボロボロ泣きながら「頑張って」と仲間を激励。実家の京都で静養し、開会式と試合だけのスタンド観戦を余儀なくされた。

 今でも首にむち打ちの後遺症があり、左右2・0あった視力は一時0・08まで低下。学校ではメガネ、野球ではコンタクトレンズを着用するようになった。河上敬也監督(51)からヘッドスライディング禁止令が出ているが、甲子園では南大会の背番号13から5番に抜てき。同監督は「思いを持っているし、つなぎ役ができる」と評価する。

 身長158センチは参加49代表のベンチ入り882人で、宇和島東の浅野真矢左翼手(3年)と並んで最も小柄だ。「小さいなりにできることはある。ヒットよりも、粘って粘って投手に球数を投げさせたい」。6日は開会式リハーサルが行われ、初戦は9日第3試合で長崎日大と対戦。春は遠くから眺めていた甲子園の土を、元気な姿で踏みしめる。【村上秀明】