北海道勢のダブル初戦突破だ。第92回全国高校野球選手権(甲子園)の南北海道代表・北照と北北海道代表・旭川実が9日、そろって1回戦に登場する。センバツ8強の北照は第3試合(午後1時30分開始予定)で長崎日大(長崎)と激突。エース又野知弥(3年)が完封したセンバツ1回戦(対秋田商)の再現を目指す。

 北照の又野が、甲子園でも投手の理想を求める。長崎日大戦を翌日に控えた8日、兵庫・西宮市内のグラウンドで37球の最終調整。センバツで5安打完封した秋田商戦が高校ベストピッチングと話す右腕は「完封?

 こだわらないけど結果としてそれが出ればいい」と口にした。

 北海道勢の甲子園での春夏連続完封は前例がなく、又野には挑戦権がある。187センチで4番も担う投打の柱。河上敬也監督(51)は「何かやってくれそうな雰囲気はあるし、又野次第ということは本人も分かっている」と夏甲子園初勝利を託す。投球を受けた西田明央捕手(3年)も「いい感じ」と万全の状態でマウンドに向かう。

 チーム打率3割2分2厘の長崎日大は、先発メンバーに左打者5人が並ぶことが予想される。南大会決勝の函館大有斗戦では被安打8のうち5本を左打者に許し、苦心の場面もあった。又野は「特に左打者にいいバッターが多い。コースをしっかり突いて投げたい」と気を引き締めた。

 完封勝利、本塁打、打球直撃の負傷、1回途中降板を経験したセンバツから5カ月。「今持っている力を全部出せれば」。春夏連続シャットアウト勝ちの快挙も、エース又野なら夢ではない。【村上秀明】