<全国高校野球選手権:新潟明訓5-3京都外大西>◇13日◇2回戦

 3年ぶり出場の京都外大西(京都)は、新潟明訓(新潟)に3-5の惜敗した。

 2人の投手を、主将の久須美は懸命にリードした。先発は、京都大会決勝完封のエース中村ではなく、大会では抑えだった佐藤。事前に、相手の佐藤和也監督(53)がデータを綿密に分析、重用するという情報を得た。裏をかく狙いの上羽功晃監督(40)の起用も、今夏初先発の2年生は初回から相手打線につかまった。

 3回で3失点。緊張で固まる佐藤を「オレのミットだけ見て投げて来い」と励ました。3回途中救援の中村が流れをいったん切るも、2-3の6回に痛恨の2失点。「バッテリーで試合を作れなかったのが残念です」と主将はくちびるをかんだ。

 部員95人を1つにまとめてつかんだ3年ぶりの出場だった。ベンチ入り18人中3年は10人、レギュラー9人では3人。背番号をもらえない大半の3年生のため、久須美主将は2カ月かけて御守りを作った。母麻佐子さん(46)に針の使い方から習い、ユニホーム型に切り抜いた布に詰め物をして縫い合わせ、21の背番号をつけた。「頑張ってももうベンチ入りは無理とわかっても、苦しい練習についてきてくれた。同級生に報いたかった」。3年間一緒だった1人1人を思い、針を運んだ。京都大会のベンチ入り20人からもれても、全員がメンバーだと伝えたかった。18人の甲子園で外れた2人の3年には、19番と20番の御守りを贈った。

 この日久須美が受けた最後の球は、同僚の中村の球。もう1人の3年生レギュラー渡辺も3安打を放った。「やっぱり3年のチームだったと、負けてあらためて思いました」。万感を込めた上羽監督のねぎらいだった。【堀まどか】