ドラフト上位候補で最速157キロ右腕の白鴎大・中塚駿太投手(4年=つくば秀英)が、10球団30人のスカウトの前でリーグ戦初完投初完封を飾った。新潟医療福祉大を3安打に封じ、同じくドラフト候補に挙がる笠原祥太郎投手(4年=新津)に投げ勝った。

 中塚は燃えていた。「笠原のことは意識しました。負けたくないし、先にマウンドを降りたくなかった」。それでも頭は冷静だった。ネット裏に大挙したスカウトの姿も目に入ったが「脱スピード」で丁寧にコーナーをついた。最速は152キロで課題の四球は1つ。140キロ台のフォークを駆使し8三振を奪い、初完投初完封をやってのけた。

 高校では控え投手。打撃投手を率先して務め制球を磨いた。急成長の191センチ右腕を西武は9人態勢で視察。中日中田スカウト部長は「素材はトップクラス。大学生では(創価大)田中、(桜美林大)佐々木と、この子。(日本ハム)大谷のような肩の柔らかさと可動域の広さは魅力。将来的にはメジャーも目指せるかもしれない」と絶賛した。

 既にプロ志望届も提出済み。「今日の結果は自信になりました」。控えめにしている好物の豚骨ラーメンをご褒美にしながら、リーグ優勝と夢を追い求める。【和田美保】

 ◆中塚駿太(なかつか・しゅんた)1994年(平6)12月26日、茨城・つくば市生まれ。小4から野球を始め、手代木中では軟式野球部に所属し捕手。つくば秀英(茨城)で投手に転向。白鴎大では今年4月に最速157キロを記録し、5月の新潟医療福祉大戦で初先発し初勝利。リーグ通算3勝。好きな投手は元ソフトバンク斉藤和巳。191センチ、102キロ。右投げ右打ち。