虎よ今日こそやり返せ! 阪神糸井嘉男外野手(35)が18日、右脇腹の筋挫傷のため出場選手登録を抹消され、代わって来日初昇格した新外国人ジェイソン・ロジャース内野手(29)が広島戦に3番一塁でスタメン出場。第4打席に初安打となる中前適時打を放ち、FA砲離脱のショックを和らげた。試合には敗れ、連勝が「4」でストップ。首位広島とのゲーム差を再び8に広げられたが、終盤5得点の起爆剤となった助っ人の一打は明るい材料だ。

 ロジャースは急な昇格にも動じなかった。8点ビハインドの8回1死満塁。広島中崎のスライダーをコンパクトに振り抜いた。鋭い打球は遊撃の横を抜けて、中堅前へ。2人の走者を生還させた。7日に入団会見したばかりで、この日が初の1軍昇格。あいさつ代わりとばかりに、来日初安打初打点となる2点タイムリーを放った。

 ロジャース 最初の2打席は打てる球が来なかった。3打席目からうまく調整でき始めた感覚で、4打席目に結果が出てよかったよ。チームは負けたが、点が入ったという意味では貢献することができたよ。

 前日17日の試合で右脇腹を痛めた糸井が登録抹消。これを受けて急きょ1軍へ。糸井の座っていた3番を任される重圧はあったが、試合前から気合十分だった。

 ロジャース 日本に来てだいぶ時間もたっている。この日のために準備してきたので大丈夫。糸井さんのけが自体は、彼にとっても、チームにとっても痛手。自分ができるだけチームの助けになるように頑張りたい。

 その言葉どおり、チームを勇気づける一打を放った。広島先発の大瀬良に0点に封じられていたが、8回の上本の押し出し死球とロジャースの一打を皮切りに、終盤5点を奪取。金本監督は「中崎、ジャクソンを引っ張り出して、ヒットも打ったし、点も取れた」と打線の奮起を評価した。

 適時打の後には、活躍をたたえる「ロジャースコール」を浴びた。7回には一塁ゴロをトンネルする初失策を記録したが、大声援を送り続ける虎党に感激。意気に感じている。

 ロジャース あれだけの熱狂的なたくさんのファンの前でプレーできることは光栄なこと。初回から9回まであれだけ熱い応援をしてくれるファンは気持ち良かったし、うれしかった。

 首位広島とは再び8ゲーム差となったが、まだ「白黒」はついていない。糸井不在の窮地で踏ん張るためにも、これからコイの尻尾をつかむためにも、「パンダ」の登場は心強い限りだ。【山川智之】