ヤクルトが土壇場で逆転に成功し、今月初勝利を挙げて連敗を8で止めた。0-1の9回無死一塁、この日26歳の誕生日を迎えた山田哲が放った中前に抜けそうなゴロが二塁ベースを直撃。打球は角度を変え、ゆっくり右翼前を転々とした。その間に一塁走者の青木が生還。ラッキーな同点適時二塁打で息を吹き返すと、チームは一気に5得点。山田哲は「大きいのを狙わずコンパクトに打ちにいった結果。サイクル安打と同じで欲がないと、いいことが起きますね」とほおを緩めた。
14年の誕生日に巨人菅野から本塁打を放っているが、誕生日にいい思い出はないという。だが、この日は敗戦濃厚な9回に、野球の神様から“誕生日プレゼント”を贈られ「いい誕生日になりました」と喜んだ。
後半戦初戦で負の連鎖を断ちきった。先発が粘って接戦に持ち込み、打線が集中打で得点するのは、最高勝率を達成した交流戦の勝ちパターンと同じだ。小川監督は「執念とつなぐ意識が出た。見事な攻撃だった。今日の勝ちを生かすには明日が大事」と言えば、山田哲も「まだ1勝。スタートダッシュを決められるように、あと2試合頑張りたい」と同一カード3連勝を思い描いた。【浜本卓也】