首位快走する広島が、球団5年ぶり4度目となる1試合2発の満塁弾でDeNAに圧勝。本拠地マツダスタジアムでの連勝を8に伸ばした。まずはバティスタだ。1点リードの3回。2ストライクから150キロのつり球を、右翼席に豪快にたたき込んだ。

 「自分の力強いスイングを心がけた。ムーチョ(すごい)パワーね。やっぱり満塁ホームランは違う。うれしい」と自画自賛。満塁弾は来日初で、20歳のころ、米カブス傘下でプレーした時に打って以来という。

 今季16号で昨季11本を更新中。「あと20本は打ちたい」と意気込む後半戦は早くも3本目だ。キングのヤクルト山田哲、バレンティンとは8本差だが打席は2人の半分以下。今季42安打の4割近くが本塁打という驚異のアーチ率だ。「暑いのは好き。ドミニカ共和国に似ている」と涼しい顔で柵越えを重ねている。

 昨季同カード3勝を献上したウィーランドを5回で降板させると、7回はリードオフマン田中が試合を決めた。右越えの6号満塁弾。武藤の内角スライダーをたたき「強く振れるところを待っていた」と納得顔だ。13年5月12日の中日戦で丸、菊池が放って以来のグランドスラム2発に本拠地は沸き返った。2連勝で貯金は今季最多17。勢いが止まらない。【大池和幸】

 ▼広島は3回にバティスタ、7回に田中が満塁本塁打。同一チームが1試合2本の満塁本塁打は、13年8月22日ロッテ以来24度目のプロ野球タイ記録。広島では13年5月12日中日戦以来4度目で、通算4度記録は近鉄に並ぶ最多タイだ。またDeNAが1試合2本の満塁本塁打を浴びたのは、球団史上初めて。