首位広島が“天敵”を攻略して快勝した。今季3戦3敗の中日ガルシアから3回までに5得点で勝負あり。3番丸佳浩内野手(29)は先制打を含む2安打2打点。4番鈴木誠也外野手(23)は3安打2打点で打率トップに立った。阪神が勝ったため優勝マジックの点灯は9日以降となり、最速だった昨季の8月8日の更新はならなかったが、2位とのゲーム差は今季最大の10・5差に広がった。

 広島が中日ガルシアを初回に攻略した。けん引したのは3番丸と4番鈴木だ。1回無死一、二塁で丸が中前に先制の適時打。「打ったのはストレートかな。ボールに逆らうことなく、素直に打ち返すことができた。甘い球は積極的にと思っていた」。続く鈴木は三塁強襲の内野安打で続き、一挙3得点。緒方監督は「いかに得点圏に(走者を)置いた時に積極性を出していくか。1巡目からいい攻撃ができた」とうなった。

 4-0の3回には、鈴木が2試合連発となる18号ソロを放った。「夏場は投手も厳しい。どんどん点を取ってあげないと」と力を込める1発で貴重な追加点。3点差に詰め寄られた7回には丸の適時打で突き放した。

 移動日で試合のなかった前日6日、丸は広島市内の銀行で西日本豪雨の被災者に義援金1000万円を寄付した。「僕も広島に11年間いるし、広島で育ったというのがあるので」。千葉出身で広島は第2の故郷ともいえる。そしてこの日は平和を願うピースナイター。「皆さんの前で野球ができることが幸せと感じたし、感じてもらえる試合だったと思う。自分の子どもが見にきてくれていたので、子どもにいいところを見せられて良かった」とほほ笑んだ。

 鈴木は6度目の猛打賞で、今季初めて打率トップに立った。好調な8月6試合の月間打率は驚異の6割3分6厘だ。「自分のことはどうでもいい」と、個人記録には関心を示さないが、「相手の状態が悪い時に早く仕留められたのは良かった」。3戦3敗、防御率1・29に抑え込まれていた天敵の攻略に納得顔だった。

 3連勝で、貯金は今季最多の19に積み上がった。球団初の3連覇が、揺るぎないものとなる状況を着々と築いている。