西武菊池雄星投手(27)が、デビュー以来18戦0勝13敗と大の苦手としていたソフトバンクから初勝利を挙げた。

涙をこらえ、言葉が出ない。お立ち台で19戦目にしてソフトバンクに勝った思いをインタビュアーに聞かれると、菊池は上を向いて必死に我慢した。「大きいと思います」。目を潤ませようやく絞り出した言葉が、ずっと勝てなかった悔しさを物語った。

3回に5安打を浴び3点を失った。初回に山川の3ランで奪ったリードを一気に吐き出した。それでも6回、中村が決勝2ラン。「(2本のホームランとも)鳥肌が止まんなかった」と菊池。頼れる打線が先制し、追いつかれても勝ち越してくれた。

チームも8年ぶりに対ソフトバンク勝ち越しを決めた。「雄星がやっと勝ったんで、いい形で戦える」と中村。菊池が「遅刻しないように。明日(午後)1時にここに集合。お願いします」と叫ぶと、スタンドから大声援が飛んだ。最高のムードで優勝がかかった29日のソフトバンク戦を迎える。