25日のプロ野球ドラフト会議で、大阪桐蔭・根尾昂内野手(3年)が最大で7球団から1位で指名される見通しとなった。

5日に1位指名を公表した中日のほか、巨人、阪神、楽天、日本ハムに続いて、22日までにヤクルトとソフトバンクが「争奪戦」に加わる可能性が高まった。交渉権の獲得は、野手では95年の福留孝介、17年の清宮幸太郎に並ぶ最多7球団の抽選になるとみられる。

ヤクルトが将来のセンターライン強化を図り、根尾を1位指名する可能性が高まった。この日のスカウト会議を終えた橿渕スカウトグループデスクは「1位はスカウトグループ内で決めました。明言はしないつもりです」と公言は避けた。だが「逃げずにいい選手を取ろうと確認しました。スカウトで意見は分かれましたがいろいろ分析して中長期的ビジョンを見た上で最終的にまとまりました」と説明。先を見据えた指名を決断したとみられる。

昨季96敗から今季2位と大躍進のヤクルトだが、遊撃手は固定できていない。27歳西浦が遊撃で119試合に先発したが、通算138試合で打率2割4分2厘、10本塁打。定位置奪取を期待された21歳広岡も45試合の出場にとどまった。二塁は3度目のトリプルスリーを決めた山田哲が君臨し、三塁はプロ初打席初本塁打の18歳村上が台頭。遊撃に根尾が加われば内野陣は将来的に楽しみな顔ぶれがそろい、競争も激化する。

23日のスカウト会議には、小川監督と衣笠球団社長が出席する。橿渕スカウトグループデスクは「現場の意向を考えながら最終決定します」と話した。現場は大学生の即戦力投手を希望する時期もあったが、CSファーストステージで巨人菅野に無安打無得点を決められての2連敗を喫し、野手の選手層を厚くしたいとの意向を強めていた。他球団の動向も注視しながら、今日、最終決定する。