竜のフラミンゴがオープン戦初アーチを放った。中日渡辺勝外野手(25)がDeNA戦に「7番指名打者」で先発出場。4回に右前打を放ち、勢いに乗った。7回に古村の直球を一本足打法で左翼席まで運んだ。「左投手だったんで、踏み込んでいこうと思っていた。打球が低かったんで、全力で走った。必死でした」。2月の練習試合でも本塁打を記録しており、長打力をアピールした。

中学時代に王貞治氏(現ソフトバンク球団会長)を育てた荒川博氏(故人)が主催する「荒川道場」で一本足打法を直接伝授された。同氏が教えた最後のプロ野球選手と言われる。15年に育成ドラフト6位で中日に入団。昨年までの3年間は2軍で毎年60試合以上の出場を重ね、昨オフにようやく支配下登録にたどり着いた苦労人だ。

昨年1月21日に温子夫人(27)と結婚。同年10月には長女を授かったばかり。「目の前のことを一生懸命やるだけです」と話す。今季、1軍キャンプに抜てきされ、打撃を磨いてきた。この日の第1打席途中に、球場の火災警報機が鳴り、試合が中断するアクシデントもあった。「何も変わらず、集中できました」と試合に入り込んでいた。「世界の王」の弟弟子が、打撃開眼なるか。【伊東大介】

▽中日村上打撃コーチ(渡辺の1号ソロを含む2安打に)「渡辺本人の自信になったと思うよ。引っ張ってヒットを打って、本塁打が欲しいときに左方向へ打ってくれた」