ソフトバンク千賀滉大投手(26)が2年連続で任されている開幕投手へ向け変化球を試した。

8日、教育リーグ・オリックス戦(オセアンバファローズスタジアム舞洲)で先発し、5回、81球で3安打無失点に抑えた。

「いろいろ試していいところと悪いところが分かった」。ここまであまり使ってこなかった決め球のフォークボールとカーブ、今季から使うツーシームを多投した。5回2死一、二塁のピンチでは「最後はちゃんとフォークで三振を取ろうと。使えてよかった」とギアを上げ、宗をフォークで空振り三振に仕留めた。

ツーシームも積極的に投げた。1回、3番山足の内角へ食い込ませバットをへし折る三ゴロに打ち取った。だが、3回にはドラフト1位太田椋内野手(18=天理)への初球が抜け、大きく変化し右手を直撃。死球を与え、その場で「ゴメン」と大声で謝り、降板後も「大丈夫かな」と病院に直行した太田を心配した。

ツーシームを投げることで、投球フォームにも影響が出て、抜けたり引っかけたりする球もあった。「ツーシームは難しい。バットも折ったし消すにはもったいない。ほかの球への影響も自分で理解できているので、1歩進んだ」と、悪影響をなくす自信を見せた。

この日の直球の最速は152キロ。自己最速を更新する158キロを出した2日阪神戦ほどの球速はなかった。視察に来た高村1軍投手コーチは「前回のスイッチが入った時との精度の違いを修正しないと。球数を投げたことが大きい」と話した。開幕まではあと2回投げる予定。昨年できなかった開幕勝利へ向け、直球も変化球もさらに磨きをかけていく。【石橋隆雄】