中日が4番ダヤン・ビシエド内野手(30)の2打席連続アーチで今季初の連勝を飾った。1-0の4回に阪神メッセンジャーから左翼席へ4号2ランを運び、6回にも右翼席へ5号2ラン。昨季の首位打者が好相性の右腕から4打点を稼ぎ、チームは勝率5割に復帰。ここから反攻をかける。

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主砲のバットがうなった。ビシエドだ。まずは1点リードの4回1死一塁。メッセンジャーの低いフォークボールをすくい上げるように捉え、打球は一直線に左翼スタンドへ消えた。6回1死一塁では再びメッセンジャーの直球を逆方向の右翼ポール際へダメ押しの2ラン。昨年8月26日の広島戦(マツダスタジアム)以来、来日3度目の2打席連弾で先発笠原を援護した。

「何だか今日はボールがよく見える気がする。なかなか相手は勝負してくれないが、勝負に来たときミスショットしないように集中していきたい」

試合後は「眼力」が好調だと言ったが、来日10年目のメッセンジャーには昨年も10打数4安打1本塁打と好相性。昨年初めて首位打者と最多安打の2冠に輝いたビシエドは、今年もしっかりえじきにする勝負強さをみせた。

今季から新たに3年契約を結び、来日4年目のカリビアンは先を見据えている。対戦したメッセンジャーは今季から外国人枠を外れ、日本人枠で出場選手登録されており、ビシエドも同様に「日本人枠に入れることが目標だ」と話す。昨季のシーズン最終戦で岩瀬、荒木の引退セレモニーに参加。「自分も最後はあんな風に祝ってもらいたい」と、青いユニホームで野球人生を全うすることを夢見ている。順調なら24年シーズンに中日の助っ人では初の国内FA権を手にする。

与田監督も主砲の活躍にほほを緩めた。「左翼への本塁打も素晴らしい打球でしたし、右翼もそう。いいところでの1発で流れを変えるというか、いい形だった」。中日時代のチームメートだった阪神矢野監督との初対戦で先勝し、連勝も決めた。「初めての連勝はうれしいんですけど、どんどん多く勝ちを積み上げていかなければいけない」。3連勝を決めれば1046日ぶりの貯金生活に入る。【伊東大介】

 

▼中日ビシエドが2打席連続本塁打。ビシエドの1試合2本塁打は来日4年目で通算7度目だが、2打席連続は16年5月7日巨人戦(今村から2本)、18年8月26日広島戦(高橋樹から2本)に次いで自身3度目だ。