<ヤクルト1-3阪神>◇7日◇神宮

今試合前までセ・リーグの得点力トップを誇るヤクルト打線が、阪神先発の秋山に抑え込まれた。ヤクルト打線は最大の長所を封じられ、弱点だけをさらけ出した敗戦になった。

もともとヤクルト打線は、長所と短所が紙一重。今試合前までセ・リーグトップの152四球で、得点も171点でトップ。その一方で、三振数もトップで282三振。もともと三振数と四球数は比例しやすいが、今試合では5回1/3を投げた秋山の前には1四球だけ。打たせて取るタイプの投手に対し、8三振も奪われたら、得点できないのも仕方ない。

秋山を攻略できなかった最大の要因は「初球」にあった。打者22人に対して初球のストライクは16。初球をヒットしたのは雄平だけで、ボールになったのは5球だけ。ストライクを取った球種も直球が4球、カットボールが5球、フォークが4球、カーブが2球、スライダーが1球と的を絞れなかった。リリーフ陣からは4四球で4三振。本来の比率だっただけに、秋山の好投がクローズアップされる。

四球が多いのは、状況を見てチーム打撃に徹する打者が多いからだろう。一方で三振が多いのは、追い込まれてからの打撃技術に弱点があるから。首位の巨人に追いつくため、3位の阪神に追いつかれないためには、四球数をそのまま伸ばしながら、どれだけ三振を減らしていけるかにかかっている。

狭い神宮球場が本拠地。打線の質を向上させられるかが、優勝するための最大の課題だろう。【小島信行】