西武外崎修汰内野手(26)が、七変化で大きな存在感を示した。2点を追う3回無死一、二塁で中前へ適時打。さらに一塁走者として塁に出れば機動力を生かす。「バッターは山川さん。変化球が多くなるし、投手も打者に集中している。金子(侑)さんよりは警戒されていない」と2球目で仕掛ける。捕手の送球が浮き、好判断の三走源田も生還。「ゲンがうまく走ってくれた」と重盗を成功させた。

山賊打線の3番を張る外崎の思考回路は、シンプルだ。「まずは最低限の仕事を考える。そこに向けて確率の高い方、失敗の少ない方を選んで、投手に合わせて打席に入る」。この試合の全5打席は犠打、適時打、犠飛、先頭安打、そして8回のダメ押し14号2ランで3安打4打点。さらに塁上では足を生かして走り、守備では源田との二遊間で鉄壁をつくる。役割はコロコロ変化した。

梅雨の6月もバットは湿らない。チーム打撃を考えすぎるあまり、置きにいくことがあれば、指揮官が背中を押す。凡退でベンチに戻ると、辻監督から「安全にいくなよ!」「思いっきり引っ張っていけよ!」とハッパを掛けられるからだ。積極的かつチーム打撃を見失わず、6月は打率3割2分6厘で30安打をマークした。

5月下旬から担う3番は定位置になりつつある。でも「難しいっすね。他のチームの3番とは違う。ファンの方は山川さんの本塁打に期待しているので、つなぎに徹します」。上位浮上を見据える山賊打線で、外崎が多種多様な色の輝きを放つ。【栗田成芳】