ロッテ小島和哉投手(23)が“4度目の正直”とはならなかったが、6回5安打無失点の好投を見せた。

「今まで試合を作れて来なかったので、今日の試合に関しては試合を作ることだけを考えてマウンドに立った。最低の役目は果たせたかなと思う」と手応えを口にした。

初回、抜群の立ち上がりを見せた。右打者には徹底的に内角を、左打者には外角を攻め、12球で3者連続三振を奪った。特に先頭の茂木、2番の下水流には6球連続ストライクで2三振。直球は140キロ前後だが勢いのある球を投げ込み、カットボール、スライダー、チェンジアップと多彩な変化球を交え、相手打者を翻弄(ほんろう)した。「初回から飛ばし過ぎて後半まっすぐの勢いが弱くなっていたところはある。その辺は課題だが、初回はしっかりと入れたかなと思う」と言った。

この日の朝、父浩行さんと母美和子さん(ともに58)は車で仙台に入り。息子の初勝利を願って、青葉神社を参拝した。同神社に祭られている伊達政宗は偶然にもこの日が452歳の誕生日。青葉城にも訪れ“伊達政宗パワー”を吸収した。その後チェックインしたホテルの部屋番号は403。息子の「背番号43」を連想させる数字が並んでいたため好投の予感はあった。

反省を忘れず、1試合ごとに進化を遂げる。プロ初登板となった4月4日の西武戦は2回8失点KOだったが、3度目の登板となった前回7月17日の同戦では4回終了まで1安打投球。勝ち投手の権利が目前に迫った5回に5安打を浴び4点を失い降板したが成長を示していた。「前回やった失敗をくり返さないようにと。1戦目よりも2戦目。2戦目よりも3戦目という風に自分の中で分析してやってきた。今日出た課題は次に生かしたい」。プロ初勝利とはならなかったが、1歩ずつ階段を上った先には明るい未来が待っている。【久永壮真】