NPBで活躍した外国人OB選手と日本人OB選手によるドリームマッチを、2021年に開催する構想が浮上していることが27日、分かった。

昨年11月に「一般社団法人 日本プロ野球外国人OB選手会」(JRFPA)が発足。現役時代に名勝負を繰り広げた王貞治VSジーン・バッキーなど、夢の再戦に期待が膨らむ。【取材・構成=高野勲】

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パワーと技術を本場から持ち込み、日本球界に絶妙のアクセントをつけてきた外国人選手。引退後も当時を懐かしむOBたちがJRFPAに集い、フェイスブックを通じて交流を温めている。その輪は約90人にまで広がっている。

帰国後も日本とのつながりを求め、また何らかの社会貢献をしたいと願う元外国人選手は数多い。日本プロ野球のライセンス商品を手掛けた日本在住の米国人実業家ウィリアム・ブルックス氏(43)が「OBたちが引退後も交流することのできる、包括的な団体を作ろう」と発案。日本ハムで39勝を挙げたカルロス・ミラバル氏(46)に代表理事就任を依頼し、昨秋にOB会が立ち上がった。

専属の日本人スタッフとともに、ネットなどを通じて会員を募ってきた。NPBで外国人投手として2人目の100勝を達成した、元阪神のジーン・バッキー氏(82)が名誉会長、陽気な性格で人気を集めた元日本ハムの強打者、マット・ウインタース氏(59)が米国事務局長に、そしてオリックスやソフトバンクなどパ4球団でプレーしたホセ・オーティズ氏(42)が理事にそれぞれ就任。組織としての形を整えた。

今年8月には本塁打王3度の元近鉄ラルフ・ブライアント氏(58)が来日。川崎球場の跡地で伝説の「10・19」にまつわるトークショーを行い、京セラドーム大阪では始球式を務め、ファンとも交流した。5月には、打点王2度の元大洋(現DeNA)カルロス・ポンセ氏(60)ら4人の会員が来日し、横浜市内でファンとのイベントに参加。こういった催しを、今後も全国各地で続けていく。

往年の助っ人たちが心待ちにしているのは、ドリームチームを結成し、日本のOBたちと決戦を行うことだ。引退後数年の選手中心でチームを作り、高齢のOBでコーチ陣を構成する予定。それでもバッキー名誉会長は、高齢ながら来日しての登板に意欲満々だ。「本当に楽しみにしているよ。日本のファンの皆さんの前で、ぜひまた王さんに投げたい」とやる気満々。JRFPAでは東京五輪翌年の21年に東京と関西で各1試合の実現へ向け、企画を進めている。バッキーが、郭泰源らが快遅球? を投じ、ブーマー、ブライアントらが懐かしい打撃フォームを披露する。オールドファンならずとも、心が躍るシーンを期待できそうだ。