ソフトバンク工藤公康監督(56)が2年連続下克上日本一へ準備を進めた。

V逸決定後の2試合は1分け1敗。今季レギュラーシーズン最終戦は最下位オリックスに完敗だった。143試合を終え「厳しいシーズンだった。結果は責任を感じている。ケガ人が出たことはしょうがない。その中で若い子たちが頑張ってきたので、最後まで優勝争いができた」と総括した。

76勝62敗5分けの2位。80勝の西武には2ゲーム差をつけられた。バンデンハーク、東浜ら先発陣が故障する中、新戦力として12勝を挙げた先発高橋礼が最終戦に先発。6回を投げ規定投球回に到達した。工藤監督も「先発1年目でよく投げてくれた」とほめた。

初回に4点を失い6敗目も高橋礼は「CSを考えて左打者にカーブやスライダーを投げた」とこの日の狙いを明かした。スタメンに6人左打者を並べたオリックスに6回5安打、その4本が左打者だったが、楽天銀次、西武秋山、森らを想定して、我慢して変化球を試した。4点差の7回無死一、二塁からは勝ちパターンのモイネロを投入。モイネロが日本語で「レンシュウ」というように回またぎをテストした。

松田宣が今季も全143試合に出場。工藤監督就任後5年連続で出続けている。内川も137試合中130試合一塁を守り、パ初の守備率10割を達成した。工藤監督は「ベテランがケガなく支えてくれた」と、たたえた。柳田、中村晃、投手ではバンデンハーク、石川と戦力もそろってきた。1週間で状態を上げ、今年も必ず日本一まではい上がる。【石橋隆雄】