オリックス戦力外から、古巣DeNAへの復帰が決まった高城俊人捕手(26)が19日、横浜市内の球団事務所で入団会見に臨んだ。ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指す筒香からの助言を胸に、心機一転の活躍を誓った。

無数のフラッシュを浴びると、さわやかな笑顔を見せながら言葉に力を込めた。「自分は1度はクビになっている人間。戻ってくるのではなく、新入団選手のような気持ちで、また一から、ここから第2のプロ野球人生がスタートするという気持ちでやりたい」。

先輩のゲキが心に響いた。オリックスを戦力外となった時も、DeNA復帰が決まった時も、最初に連絡を入れたのが筒香だった。「『ベイスターズに戻るという感覚じゃダメ。最初の1年間がすごく大切。ここが分岐点だと思って一生懸命、野球をやれ』と言われました」。11年ドラフト2位入団から7年半プレーした古巣。周りは親しい仲間たちばかりだが、なれ合いの気分は排除する。きっちりと気持ちを区切って臨むことで、再出発=飛躍への足がかりとする決意だ。

昨年7月、伊藤光らとのトレードでオリックスへ移籍。出場は今季の5試合のみにとどまった。それでも捕球技術と狙いを絞った打撃、闘争心あふれるプレーへの評価は高い。来季は伊藤光、戸柱、嶺井らと懸命に正捕手を争っていく覚悟だ。背番号は36、年俸は1200万円。筒香の金言を得た高城が、DeNAの大きな“新戦力”となる。【鈴木正章】

◆古巣復帰メモ 自由契約となって古巣へ復帰した選手は、最近では19年五十嵐亮太がいる。18年オフにソフトバンクを自由契約となり、98~09年在籍のヤクルトへ復帰した。18年には実松一成が巨人から99~06年在籍の日本ハム、松井稼頭央が楽天から94~03年在籍の西武、17年には岩崎達郎が楽天から07~12年に在籍の中日へ戻った。トレードでは19年6月に吉川光夫が巨人から日本ハムへ復帰した。また、短期間で復帰の例としては、11年途中にロッテから巨人へ移籍したサブローがその年のオフにFA権を行使しロッテへ戻っている。