大腸がんから再起した阪神原口文仁捕手(27)が24日、西宮市内の球団事務所で会見を行い、これまでの闘病の経緯や詳細を公表した。昨オフに宣告された大腸がんが、ステージ3bだったことを告白。抗がん剤治療を受けながら感動的な復活を遂げた男は、来季目標にレギュラー取りを掲げ、感謝の完全復活を目指す。

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▽医学ジャーナリストの松井宏夫氏の話 大腸がんのステージ3はリンパ節に転移している状態です。bはそのステージの中でもaより進行度が強く、今回でいえばステージ4に近い状態といえます。がんが大腸の奥深くの外壁近くまで浸潤していたのではないでしょうか。手術は開腹ではなく、4箇所ほど穴を開ける腹腔鏡手術でがん部分とリンパ節を切除し、抗がん剤による化学療法が行われたと思います。

ただ、1月末に手術して3月上旬に2軍に合流し、6月上旬に1軍で大活躍できたのはすごいことです。抗がん剤の影響で食事や運動をするのがつらく、やせる人もいます。手術がうまくいき、抗がん剤も効いたのでしょうが、体力のあるスポーツ選手特有の驚異の回復力といえます。

現在も定期検査に通っていると思いますが、腫瘍マーカーなどで異常なしが続けば、5年で完治とみなされます。これからもがんと闘う方の希望になることを願います。