PJ魂継承だ。阪神が25日、来季契約を結んだ新外国人5選手の背番号を発表した。今季韓国プロ野球で打点王に輝いたジェリー・サンズ外野手(32=韓国キウム)は「52」に決定。今季セットアッパーとしてフル回転し、パドレス入りが決まったピアース・ジョンソン投手(28)がつけていた番号だ。打線強化のカギを握るスラッガーが、同じ背番号でPJ級の活躍に挑む。

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今季マウンドで躍動した背番号「52」が、来季は打席で大暴れしてくれるはずだ。虎新助っ人5人衆のうち、サンズはジョンソンがつけていた背番号52を引き継ぐことが発表された。

サンズとジョンソンは縁が深い。ジャイアンツ時代のマイナーリーグでチームメート。サンズ自身が阪神と契約した際に「米国で同僚だったジョンソン投手から阪神タイガースで素晴らしい時を過ごしたと聞いていました」と、日本球界で成功した元同僚との秘話を明かしていた。今季韓国プロ野球トップの113打点をマークし、阪神でも得点源として期待される強打者がPJ魂を受け継ぎ、バットを握ることになった。

阪神は今季リーグ5位の94本塁打、同ワーストの538得点に終わった打線の強化が大きなテーマで、今オフ、左打者ではジャスティン・ボーア内野手(31)、右打者ではサンズを獲得した。今季12本塁打で来日2年目を迎えるマルテとともに、助っ人野手3人がスタメンに並ぶ超重量打線結成の可能性もある。ジョンソンは今季58試合登板で40ホールドを記録するなどセットアッパーの軸としてフル回転した。サンズがバットでPJ級の活躍となれば、15年ぶりのリーグV奪回にグッと近づくはずだ。

球団首脳によると、当初サンズは韓国球界に残留する可能性もあったという。それが来日を決めたのもジョンソンの後押しがあったからかもしれない。契約時に「阪神タイガースのユニホームを着てプレーをすることに気持ちが高ぶっています」とコメントしていたスラッガーが、52を背に、強烈な打球を放つ日が待ち遠しい。【松井周治】

4番候補のボーアは希望通りに「41」となった。メジャー通算92発の大砲は、キャリアハイのシーズン25本塁打を放った17年マーリンズ時代に「41」を背負っていた。谷本球団副社長は「空いているのだったら、ラッキーナンバーと言っているので、気分よくプレーしてもらった方がいいじゃないですか」と説明した。また、新助っ投の背番号も決まり、ジョン・エドワーズ投手(31)が「42」、ジョー・ガンケル投手(27)が「49」、前ソフトバンクのロベルト・スアレス投手(28)が「75」となった。

◆ジェリー・サンズ 1987年9月28日生まれ、米ニューヨーク州出身。カトーバ大から08年ドラフト25巡目でドジャースと契約し、11年メジャーデビュー。その後レイズなどに移り、メジャー実働5年間で10本塁打も、マイナーでは180本塁打を放った。18年から韓国プロ野球のネクセンでプレーし、今季も球団名が変更された同球団のキウムに所属して113打点でタイトルを獲得。193センチ、105キロ。右投げ右打ち。