“生涯現役”を目指し、正捕手争いに食らいつく。日本ハム鶴岡慎也捕手兼任バッテリーコーチ(38)が5日、札幌市内の室内練習場で自主トレを公開。

「なんとか1年でも長く。食らいついていくのが僕のスタイル。野球選手として、泥臭くやっていきたい」と、攻守で表舞台へ返り咲く決意をにじませた。

フリー打撃で打球を飛ばすなど約2時間、たっぷりと汗をかいたチーム最年長の表情には、自信が宿っていた。昨年6月、出場選手登録を外れてからは、再登録されることなくシーズンを終えた。35試合出場で、打率1割台。悔しさを押し殺し、シーズン中から後輩のヒットメーカー近藤を手本に、打撃フォームの改造に着手した。「抹消された時から燃えるものがあった。選手としてやらないと、意味がない。春のキャンプが楽しみ」と、球春到来を心待ちにする。

年末年始は鹿児島へ帰省し、社会人野球の東邦ガスで捕手兼任コーチを務める2歳下の弟、和紘と練習。「鹿児島に帰ると、いつも『もう1回やるぞ』『また頑張ろう』という気持ちになれる」。ステージは違えど、兄弟そろって選手兼指導者。お互いに刺激を受けながら、新たなシーズンへ向かう準備を整えた。

ドラフト8巡目で入団してから、常に危機感を持ってやってきた。昨季限りで田中賢、実松が引退し、日本ハムの東京時代を知る唯一の現役選手に。「(若手には)『まだ負けね~ぞ』という気持ちが、自分の中にあることに気付けて良かった」。プロ18年目も、がむしゃらに駆け抜ける。【中島宙恵】