メジャー通算282本塁打を誇るオリックスの新外国人、アダム・ジョーンズ外野手(34=ダイヤモンドバックス)が26日、関西国際空港着の航空機で来日した。空港に隣接したホテルで入団会見を行い、10倍以上の倍率を勝ち抜いたファン100人の前で決意表明。「オリックスにすべてをささげる」と華やかなキャリアの集大成にするため、超大物助っ人が全力プレーで来日1年目のシーズンに臨む。

これぞ大物メジャーリーガーだ。空港の到着ロビーには、約300人のファン、テレビカメラ10台を含む約50人の報道陣。そこにジョーンズが登場した。球団マスコットのブルとベルから花束を贈られ、会見場へ歩を進めると、ファンが殺到。サインを求められ、もみくちゃとなった。「僕はマイケル・ジャクソンかな、と思ったよ」と冗談めかした。入団会見には、10倍を超す倍率を勝ち抜いたファン100人が参加。助っ人の来日としては、異例の舞台が用意された。

注目の決意表明はシンプルだった。「自分を打順に組み入れてほしい。打順に入れば、何かいい仕事はできる。走者が得点圏にいればかえそうと思うし、いなければ自分で得点する。一生懸命にプレーして、若い選手にもそういう姿を見せる」。その準備として、メジャーより半月早い2月1日からの春季キャンプ参加も快諾。「野球は野球。戸惑いはない。早く準備はしないといけないが、その分早く野球ができるから」と前向きだった。

メジャーで7年連続25本塁打以上、通算1939安打、球宴5度出場と抜群の実績を誇る。西村監督は「彼を4番に置いたチーム作りを考えてね。3番に(吉田)正尚を置ければ、ジョーンズと勝負か正尚と勝負。怖い打線を作りたいね」と青写真を描く。

ジョーンズは正直だった。「優勝というのは保証できない。保証できるのは、一生懸命やること、チームが勝てるようにプレーすること」と全力プレーを約束。昨年は最下位に沈んだチームへの入団にも「ソフトバンクが強いのは聞いている。一生懸命に勝ちを求めて、その日の試合を大事にする」と、目の前の一戦に集中する姿勢を強調した。 名中堅手として知られたが「任されたポジションを全力でやりたい。野球ができるのはあと何年かかもしれないので、オリックスに対してすべてをささげようと思う」。覚悟を示した超大物助っ人。2月1日の宮崎で「オリックス・ジョーンズ」が、注目の第1歩を踏み出す。【堀まどか】

<アダム・ジョーンズ アラカルト>

◆生まれ 1985年8月1日、米国カリフォルニア州生まれ。

◆出身校 サミュエル・モールス高校。

◆メジャー入り 03年のドラフト1巡目(全体37位)でマリナーズへ入団、06年7月12日にメジャーに初昇格し、同14日のレンジャーズ戦でデビュー。08年にオリオールズにトレード移籍し、昨年3月にダイヤモンドバックスと1年300万ドル(約3億3000万円)で契約。13年にシルバースラッガー賞を受賞。オールスター出場5度。メジャー14年間で通算1939安打、282本塁打、945打点。

◆守備の名手 オリオールズ移籍後の09年に正中堅手に定着し、ゴールドグラブ賞を初受賞。12~14年は連続受賞した。

◆米国代表 13年の第3回WBC大会の米国代表に選出され、14年日米野球のMLB代表にも選ばれた(辞退)。17年の第4回WBC大会にも出場し、優勝に貢献した。今年の東京オリンピックへの出場権を勝ち取った際には本人は参加希望を明かしており、オリックスも体調次第で容認する。

◆スポーツに縁 義理の父ジーン・フォゲット氏は元NFL選手で、72年から75年までカウボーイズ、76年から79年までレッドスキンズでプレー。

◆背番号10 08年のオリオールズ1年目からつけた10番は愛着のある背番号で、オリックス入団が決まったときに大城から譲り受けた。9への変更を快諾した大城に、ジョーンズは球団関係者を通じて感謝を伝えていた。

◆尊敬する人物 ヤンキースで活躍し、現在はマーリンズの最高経営責任者を務めるデレク・ジーター氏。

◆好きな言葉 シンプル。

◆好きなスポーツ アメリカンフットボール。

◆サイズ 188センチ、98キロ。右投げ右打ち。