日本ハム栗山英樹監督(58)が16日、2番打者に中田翔内野手(30)を起用するプランを披露した。オープン戦で打率3割4分4厘、3本塁打、9打点と好調の主砲に多くの打席を与え、チームの得点力を上げる狙いがある。

開幕延期によって20日から始まる練習試合の中で「2番中田」を試して手応えをつかめば、日本ハム打線に強力なオプションが誕生しそうだ。

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栗山監督は大まじめに切り出した。「中田2番も面白いかな。冗談ではなくて。なんで(エンゼルスの)トラウトが2番を打っているのか」。メジャーだけでなく、日本でも有効性が認知されてきている強打の2番打者。狙いは、単純明快だ。「普通に考えたら、たくさん打つ人が前にいた方がいい。(チームで)年間5000から6000くらいの打席を誰に回すのか」と力説した。

伝え聞いた中田は驚いた。「え~どういうこと? 2番? でも、2番は出塁率の高い選手でしょ? 俺、出塁率(通算3割2分1厘と)低いからさ、どうなんだろ…」。野球人生で2番を務めた記憶がない主砲は自虐的に答えたが、オープン戦での好調ぶりは目を見張るものがあった。

フルスイングを封印して、バットとボールの入射角を意識して飛距離を出して3本塁打。力まないからミートする確率も上がって打率は3割4分4厘。出塁率も3割5分3厘を記録し、長打率は6割8分8厘で強打者の指標となるOPSは10割超え。栗山監督がより多くの打席を与えたくなる数字だった。

中田も以前は「俺の中でイメージする2番はバント。しっかりランナーを送ることが出来て足の速いイメージ」だった。今は、違う。チームでは17年には大谷が1試合、18年からは主に大田が2番を務めた。他球団でも2番打者像は変化している。「(大田)タイシが2番を打ったりしていたから、イメージはガラッと変わった。監督が言ったことを、一生懸命やるだけなので」と前向きだ。

2番候補には渡辺も浮上しており、栗山監督は打線について「幅が広がった」と感じている。開幕延期に伴って準備期間が増えたことも好機。「1つのオプションとして」と20日からの練習試合で「2番中田」をテストすることを示唆した。時間が許す限り、あらゆる可能性を追求する。【木下大輔】

<中田2番の場合>

1番西川

2番中田

3番近藤

4番大田

5番王柏融

6番渡辺

7番石井

8番ビヤヌエバ

9番宇佐見

<中田4番の場合>

1番西川

2番渡辺

3番近藤

4番中田

5番王柏融

6番大田

7番石井

8番ビヤヌエバ

9番宇佐見

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◆日本ハム中田の打順 先発出場した1267試合で4番は1098試合(86・7%)。以下7番69試合、6番55試合、3番22試合、5番15試合、8番7試合、1番1試合の順になっている。初めて開幕4番に座った12年以降は5シーズン連続先発全試合4番など「不動の主砲」にあり、先発1059試合で4番1024試合(96・7%)。

◆2番打者 メジャーでは最強打者を据えるチームが2010年代に入ってトレンドに。それ以前は3番が最強とされたが、野球データ分析専門家トム・タンゴ氏らが07年出版の著書で「2番は3番以上に重要な場面で打席が回ってくる頻度が高い」とのデータを示したこともあり、見方が変わってきた。17年本塁打王ヤンキースのジャッジ外野手、18年MVPブルワーズのイエリチ外野手、昨季45本塁打のエンゼルスのトラウト外野手らが有名。日本では日本ハム時代の小笠原が99、00年に犠打0で25本塁打以上と活躍し、昨季は巨人坂本が2番で先発した117試合で34本塁打、打率3割9分4厘の数字を残した。

<主な強打の2番打者>

◆打率 87年首位打者の新井(近鉄)は2番で93試合に出場して打率3割5分7厘の高打率。05年井端(中日)は143試合で打率3割2分3厘。16年菊池(広島)は打率3割1分5厘を残し、最多安打のタイトルを獲得。

◆本塁打 80年簑田(阪急)は全31本塁打中、2番で30本。同年31犠打も決めており、球界唯一の「30本塁打&30犠打」を達成。99、00年に主に2番を打った小笠原(日本ハム)は2年連続で20本塁打以上。06年リグス(ヤクルト)は2番でプロ野球史上最多の37本塁打。19年坂本勇(巨人)は34本塁打を放ち、優勝に貢献しMVPを獲得した。

◆打点 00年小笠原は102打点中、2番で92打点。前年は2番で74打点を挙げており、2年で計166打点をマーク。08年栗山(西武)は満塁時に打率6割2分5厘を誇り、2番で71打点。最近では大田(日本ハム)が18年に52打点、19年に75打点と2年連続50打点以上を残している。