右手首に痛みを抱えながら1軍に同行する広島ホセ・ピレラ外野手(30)が9日、マツダスタジアムでの全体練習に参加した。広島の練習は投手と野手をそれぞれ2グループに分けて行われており、ピレラは鈴木誠や長野らとともに午前組に入った。内野ノックの後には山田内野守備走塁コーチが付きっきりで送球練習し、両手でティー打撃も行った。右手首の回復は順調で、休日明けの11日にもフリー打撃再開の「可能性はあると思う」と胸を張った。

日本での初めてのシーズンは新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、開幕が先延ばしになっている。先行きが見えない状況に戸惑いはある。「なんで今年なんだという気持ちはある」と心境を吐露しつつ「一生懸命にプレーするチームメートに感化されながら、やれています」と前を向く。

コロナ対策に人生初のマスクを着用し、外出も食料の買い出しなど必要最低限にとどめる。窮屈な生活も、米国に住む生後10カ月の愛娘とのテレビ電話が最大の癒やし。空いた時間には語学学習に取り組み、料理もするようになった。新天地での不安な日々も、新外国人はすべて前向きにとらえながら、1歩ずつでも前進しようとしている。【前原淳】