#社会人野球盛り上げ隊 今秋のドラフト候補・JFE東日本の今川優馬外野手(23=東海大北海道)が立ちあがった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で活動自粛を余儀なくされている選手たちから、野球ファンへ。メッセージ動画「今、僕たちにできること」を作成し、Twitterなどで配信した。

今川は「NPBの『みんなとキャッチボールプロジェクト』をヒントに僕たちもファンの人たちに喜んでもらいたい」と選手たちに声をかけ、日本野球連盟公式サポーターの協力を得て動画を作成。10日午後6時から1回目をアップした。今川の呼びかけに賛同した選手は約70人にも広がり、この先も配信は続く予定だ。

約1分30秒の動画では、社会人野球で活躍する選手が次々と登場。1つのボールを、キャッチボール、バッティング、守備などそれぞれのプレースタイルでつなぎながらファンへメッセージを伝えた。

今、動かなければ何も始まらない。今川がそれを痛感したのは、18年北海道地震の経験からだ。最大震度7の地震が発生し、在籍していた東海大北海道(現東海大札幌キャンパス)の寮も2日間にわたり停電や断水になった。車の電気で充電をわけあい、助け合って生活。苦しいときほど協力し、行動を起こすことが大切だと学んだ。「僕たちは、いち会社員ですが、協力すればこんな素晴らしいことができる」と笑顔を見せた。

社会人野球は第46回社会人野球日本選手権、同大会の対象となる一部のJABA公式大会と、第45回全日本クラブ野球選手権大会は中止に。これに伴い各チームは4月末までのオープン戦を自粛中だ。「正直キツイ。ドラフト前の公式戦がすべてなくなりアピールの場がなくなってしまった」と肩を落とす。大学4年時も、長打力を武器にドラフト候補に挙げられたが、指名漏れ。社会人2年でプロへ行く、と誓いJFE東日本へ。持ち前のフルスイングのスタイルは変えず、選球眼を磨き「どの球でもタイミングさえ合えば対応できるようになった」と自信をつけた。しかし、11月開催予定の都市対抗野球大会まで先は長い。不安な毎日も「動画を見て元気が出た」と、全国から届いたたくさんのあたたかい声に支えられる。

「僕たちは負けずに前を向きます。また皆さんと球場で会える日まで」。今川が放った打球は、大きな弧を描き、明るい未来へと飛んでいった。【保坂淑子】

・JABA日本野球連盟公式サポーター

「今、僕たちにできること」

(https://www.youtube.com/channel/UC26D0n0-QuxyIghG0WqbN0A)