セ、パ両リーグは15日、今季の残り日程を発表した。クライマックスシリーズ(CS)は、パ・リーグが1位と2位による4試合制の対戦のみ実施することになった。

新型コロナウイルスの感染リスク軽減のために組んだセ・リーグの東西集中開催は7月下旬から、パ・リーグの同一カード6連戦は8月下旬から通常の日程編成に戻る。また日本プロ野球選手会はオンラインで臨時大会を開催。シーズン短縮に伴う出場登録日数の扱いで日本野球機構(NPB)側と合意に至っていないが、6月19日に開幕する公式戦はボイコットしないことを決議した。

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セ・パが異なる方式で日本シリーズに進み、コロナ禍の特殊シーズンの日本一を目指す。セ・リーグはペナント120試合の完全消化を優先。ドーム球場が少なく予備日を十分に確保するため07年から続くCSを初めて実施しない。一方でパ・リーグは11月14日から開催。1勝のアドバンテージが与えられる1位が本拠地で2位を迎え、4試合制の3戦先勝で争う。ファイナルステージの名称もなくCSとなる。パの保科統括は「ファンのみなさまへシーズン終盤戦の興味を持っていただくため、盛り上げ策が必要」と説明した。

ただ平等性という観点では問題が残る。パはCSの予備日が同18日。もつれれば中2日で同21日に日本シリーズを迎える。対してセは、近年の天候不順もあり、ずれ込むこともあるが、最短で同7日の最終戦を最後に2週間空く。実戦感覚や勢いは十分も消耗のリスクを負うパと、休養十分も勘が鈍る可能性のあるセ。CS終了から日本シリーズまでの過去最短間隔は17年DeNAの中3日。日本一の行方を左右しかねない要素になる可能性がある。セの杵渕統括は原則として禁止されている14連戦を避け、選手の体調管理を重視したことも挙げ「結果的に両リーグで分かれてしまったのは残念だと思うが、それぞれのリーグでできる最高の決断、判断」と話した。

6月19日に約3カ月遅れで開幕する日程は1日に、セは7月23日まで、パは7月19日までを発表済み。残り日程を全て発表した理由に、早ければ7月10日から移行する有観客への準備のためとした。移動リスク軽減のための、セの東西集中開催は7月下旬から、パの同一カード6連戦は8月下旬から通常の日程編成に戻る。交流戦、球宴も中止。地方開催も消滅した。球史に刻まれるシーズンを完走する。【広重竜太郎】