<東京6大学野球:明大4-0法大>◇第4週第1日◇11日◇神宮

26日のドラフト会議を前に、将来のスター選手たちがアピールした。明大・入江大生投手(4年=作新学院)が7安打13奪三振でリーグ戦初完投、初完封勝利。3位で並んでいた法大を突き放した。法大・高田孝一投手(4年=平塚学園)は、5回4安打2失点も最速154キロをマーク。早大・早川隆久投手(4年=木更津総合)は7回3安打1失点、13奪三振で勝利に貢献した。早大は4ポイントとなり、試合のない慶大と並んで首位に立った。

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新たな境地に達した。入江は、気持ちが入りすぎてボールが高めに浮くことを課題に挙げていた。「今日は入り込み過ぎないように落ち着いて投げた。力を抜くことだけを考えていた。素直にうれしい」と初完封をかみしめた。

無走者でもセットポジションで投げたり、カーブを有効に使ったりして、脱力を意識。要所要所では力強い直球も連発し、最速150キロを計測した。「何か変えないと新しい結果は生まれない。日々成長するイメージで取り組んでいます」と手応えをつかんだ。

作新学院時代は、今井達也(現西武)とのエース争いに敗れ「4番一塁」で甲子園優勝。準々決勝では木更津総合・早川(現早大)から本塁打を放ち、強打者としてU18日本代表にも選ばれた。明大入学後は投手専念を志願。今年はエースナンバー「11」を背負い、最速153キロのドラフト上位候補にまで成長した。

10日は明大の1学年先輩の森下(現広島)が8勝目を挙げ、伊勢(現DeNA)はプロ初勝利。刺激を受けての快投だった。スカウト陣へ最高のアピールとなったが「田中監督からは『バックネット裏と勝負するな』と言われている。戦うのは相手バッター」と割り切る。残された試合は、ドラフト前3戦、大学生活5戦と少なくなった。「チームを勝たせられるような投球をすれば、明治の11番にふさわしいかな」。エースとして19年春以来の優勝に導き、プロで好投する先輩たちに続く。【湯本勝大】

▽巨人水野スカウト部参与(入江に)「真っすぐもコントロールも変化球も全体的に質が高い。長いイニングも投げられる」

▽ヤクルト小川GM(入江について)「要所要所でのコントロールが良かった」

▽楽天後関スカウト部長(入江に)「スピードがあるのは魅力。先発もやっているし、抑えもやっていた。各チームがそれぞれ必要なピースで力を発揮できる」